10年越しの念願かなってブラームスの2番の本番終了しました。
冒頭とか特に1楽章は音が硬くなってしまった箇所があったのは否めないけれども、
そんな状況があっても変に小手先でなんとかしようとせず、「いつもと違うことをしなければ大丈夫」
とか「この音楽を楽しんで」と何度も念じられるくらいに冷静で居られたという点で、前回の
ブラ4より随分進歩したんじゃないかと思うし、今の私にしてみれば上出来だったでしょう。
ありがとう、ホルンの神様、そして鉄太郎(笑)。
お前と一緒に吹けて本当に良かった。
でもそんな風に居られたのって、今回一緒に居た若手の子たちのお陰かなぁ・・・・と思った、
そんな本番でした。
リハ後とか、本番前に彼女達にかけた言葉がそのまま自分の中にことだまのように返ってきた。
彼女達にかけていた言葉は、実はそのまま自分にも言い聞かせることになってたんだなぁと(笑)。
今回の演奏会に向けては2回ホルンパート練をして、
私は降り番だけど、特にヒンデミットは2回目のパート練後から随分と良くなった。
少なくともホルンパートの中では誰が何をしているか、お互いのことをわかって吹く、そんな一体感
とか信頼感が出たのを感じたし、何より楽しそうに吹けるようになったのがよかった。
自分でもおかしいんだけど、降り番だったヒンデミットで、若手の子達のソロや
ホルンのアンサンブルがばっちり決まるたびに舞台袖で無音の拍手とかガッツポーズするくらい
嬉しくて、舞台上じゃないのに、ドキドキワクワクしたこととか、そういうのって初めてだったと思う。
今回みたいながっつり降り番って珍しいんだけど(笑)、
降り番だけど、降り番じゃなかった、そんな不思議な感覚。
ブラームスの前はもちろん緊張していたけれど、それでも何かいつもとは違う形で集中しながらも、
心が温まった状態でスタートした本番だったんじゃないかと思う。
あともう一つ嬉しかったのは、アンケートに書かれた自分へのコメントよりも、
「ブラームスの女子ホルン、良かった」 と書かれていたこと(笑)
ホルン女子じゃなくて、女子ホルン(笑)。
そう、今回のブラームスはホルン4人とも女性だったのです。
このメンバーで出来て本当によかったです。
今回はいろいろ考えることが多くて、たまにそっとかけられる言葉も重くなってきて、
随分苦しかったりもしたんだけど、自分だけの世界から解き放たれて初めて見える、
小さな幸せの瞬間みたいなのをほんの少し垣間見たような気がしている。
そんな中だったからこそ、ブラームスの音楽の全てではないけれど、ほんの少し、
彼のトーンと重なったような瞬間もあったような気がして、本当にいい課題曲に
めぐり合わせてくださったなぁ・・・・と毎回ホルンの神様には感心しきりなのです。
1番、3番、4番じゃなくて、2番というのが今回のテーマにぴったりだったんじゃないかと。
毎度のことながら結果が出てからから全ては定められていたことなのかなと妙にしみじみ
納得する鉄子なのでした。
個人的にはいろいろ体調面でも心配事が絶えず反省しきりでしたが、
みんながいい本番だったね、楽しかったねと笑顔で言えたのは、本当によかったです。